R Sekiguchi
@gucchi_penguin
高校に入った途端男女で傾向に差が出る(女子は一般的な小説へ移行、男子はラノベが増える)んだけど、これ見るとそりゃミソジニー的なのを拗らせた成年男性ばかりになるのもわかるよな、と思った。本人は自分が女性差別的思考を内包してることに無自覚なのが大半だろうけど。
531件のリツイート
167件の引用ツイート
1,452件のいいね
https://twitter.com/gucchi_penguin/status/1586326028674543617
https://imgur.com/H1ajxI0.jpg
https://twitter.com/5chan_nel (5ch newer account)
女性「高校生になると女性は普通の小説を読むが、男はラノベばかり。そりゃミソジニーを拗らせるよな」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
1それでも動く名無し
2022/10/31(月) 10:55:02.70ID:7C41QtHI0HLWN529それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:09:31.01ID:O16OzidTpHLWN530それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:09:34.05ID:BJ3nCv93rHLWN531それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:09:41.25ID:9EGdSBvsMHLWN オーディオコメンタリーって革新的かと思ったら読書の面白さ消し去るゴミ技術だったよな 全然作品に対する没入感無いわ
532それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:09:41.59ID:QJnWrkOS0HLWN533それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:09:44.32ID:ckwc+yex0HLWN534それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:09:51.40ID:6FSQwwWX0HLWN に、西尾維新はどこ…?
535それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:09:53.10ID:HlTZv6pLpHLWN 女が読んでる小説「悪役令嬢に転生して婚約破棄されたけど実は聖女で公爵様に溺愛されてます~」
536それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:10:05.17ID:hnnjTqMqdHLWN 女は男よりコミニュケーション重視だから
そもそも読書にハマる奴が少ないだろ
そもそも読書にハマる奴が少ないだろ
537それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:10:09.76ID:NolDaANLaHLWN >>520
小説「しか」読まんて奴はミステリーかSFの専門家っぽい
小説「しか」読まんて奴はミステリーかSFの専門家っぽい
538それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:10:10.79ID:ViDNZ3QTpHLWN 純文学でおもろいと思ったのは夏目漱石と村上春樹だけやわ
539それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:10:11.32ID:sBQbWuY7dHLWN 小説読んどる事をステータスだと勘違いしてる奴って割りかし居るよな
そういう手合いって当たり前の様に人の趣味を馬鹿にしてくるから嫌いやわ
そういう手合いって当たり前の様に人の趣味を馬鹿にしてくるから嫌いやわ
540それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:10:17.16ID:hNRRfilD0HLWN 斜陽とか読んでそう
541それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:10:23.53ID:YChShdvZdHLWN これ男子高校生はデータ少なすぎて偏ってる可能性があるってソースに書いてあったやつやろ?
実際はマンコは高校生にもなって小説ばっかり読んで空想に浸っとるけど男は現実に生きてるやつが大半って事やん
少数の空想に逃げとる弱者男性がラノベとかのぬるま湯に逃げるのは当たり前やないか?
実際はマンコは高校生にもなって小説ばっかり読んで空想に浸っとるけど男は現実に生きてるやつが大半って事やん
少数の空想に逃げとる弱者男性がラノベとかのぬるま湯に逃げるのは当たり前やないか?
542それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:10:29.17ID:rkZJjsLWdHLWN 単なる娯楽やぞ
大人になってもポテチとコーラ好きな男は幼稚だとか言ってるようなもんやろ
大人になってもポテチとコーラ好きな男は幼稚だとか言ってるようなもんやろ
543それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:10:32.55ID:04eNkGg8MHLWN >>538
メロスは激怒した。
メロスは激怒した。
544それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:10:35.61ID:EiQ+KOwQ0HLWN >>530
他良さそうなのおるか?
他良さそうなのおるか?
545それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:10:49.06ID:SIw0k4a30HLWN >>536
話題性があれば手に取るかなが多いかもな
話題性があれば手に取るかなが多いかもな
546それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:10:54.00ID:pn+oxh0NaHLWN547それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:10:56.11ID:VOYeDgWFpHLWN >>508
普通ついてくるブックカバーつけっぱなしにしないし帯も取るやろ...
普通ついてくるブックカバーつけっぱなしにしないし帯も取るやろ...
548それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:10:57.45ID:X8p2E3tz0HLWN 人間失格って実は性描写もそんな無くて短く纏まってて意外と小中学生向けだよな
549それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:10:59.32ID:5k54/hqVMHLWN この前アルセーヌルパンはモンキーパンチが作ったって人が居た話がTwitterで流れてた
550それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:11:05.26ID:NgyEKbReaHLWN 星の王子様やこころ読まないの意外
551それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:11:20.44ID:9PjNm2hKaHLWN まあでもワイも娯楽重視の推理とSF系に偏っとるからラノベ読んどるのとそんな変わらん気はするけど
普通の小説って何やねん
普通の小説って何やねん
552それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:11:23.09ID:ViDNZ3QTpHLWN >>543
メロスもおもろいかと言われると
メロスもおもろいかと言われると
553それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:11:43.82ID:WQG7trYW0HLWN >>547
帯は外さんやろ
帯は外さんやろ
554それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:11:48.87ID:AvtmjxF1aHLWN >>541
お手本のようなミソジニーで草
お手本のようなミソジニーで草
555それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:12:00.64ID:PwOHzNz8pHLWN556それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:12:08.83ID:4xPUJ2a/MHLWN 最近のなろうは「冴えない俺、実は大人気vtuberでした!気付いてももう遅い」みたいなのばっかりや
バチャ豚多すぎる
バチャ豚多すぎる
557それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:12:09.38ID:BJ3nCv93rHLWN558それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:12:12.39ID:5k54/hqVMHLWN 演劇でも映画でもその頃の時代背景が色濃かったり宗教的な問題混ざってたりすると
理解したかと問われたら難しいと言うわ
理解したかと問われたら難しいと言うわ
559それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:12:18.09ID:VZDNK2UlaHLWN 確かにラノベ読んでるガイジって大体アニ豚ネトウヨ兼任してそうやしな
560それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:12:20.35ID:ATS6FfNSMHLWN 帯すぐ捨てたら父親に怒られたわ
561それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:12:25.40ID:8z55R6KtdHLWN 一般小説ってミステリやサスペンスばっかやない?
非オタのファンタジー小説の枠がミステリやサスペンスなんやろな
非オタのファンタジー小説の枠がミステリやサスペンスなんやろな
562それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:12:33.30ID:Qi7dE+CDMHLWN ワイオタクやないから知らんけどラノベ読んだらミソジニー拗らすの論理展開が意味不明なんやが解説してくれんか誰か
563それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:12:33.55ID:ViDNZ3QTpHLWN >>553
読む時外して読み終わったらつけるわ
読む時外して読み終わったらつけるわ
564それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:12:40.49ID:sBQbWuY7dHLWN565それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:12:55.41ID:ZnB/NC/M0HLWN なんGのおっさんはいい歳こいて漫画アニメだけどなw
566それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:12:56.32ID:Pd+X49kSMHLWN これは、私が小さいときに、村の茂平というおじいさんからきいたお話です。
むかしは、私たちの村のちかくの、中山というところに小さなお城があって、中山さまというおとのさまが、おられたそうです。
その中山から、少しはなれた山の中に、「ごん狐」という狐がいました。ごんは、一人ぼっちの小狐で、しだの一ぱいしげった森の中に穴をほって住んでいました。そして、夜でも昼でも、あたりの村へ出てきて、いたずらばかりしました。はたけへ入って芋をほりちらしたり、菜種がらの、ほしてあるのへ火をつけたり、百姓家の裏手につるしてあるとんがらしをむしりとって、いったり、いろんなことをしました。
或秋のことでした。二、三日雨がふりつづいたその間、ごんは、外へも出られなくて穴の中にしゃがんでいました。
雨があがると、ごんは、ほっとして穴からはい出ました。空はからっと晴れていて、百舌鳥の声がきんきん、ひびいていました。
ごんは、村の小川の堤まで出て来ました。あたりの、すすきの穂には、まだ雨のしずくが光っていました。川は、いつもは水が少いのですが、三日もの雨で、水が、どっとましていました。ただのときは水につかることのない、川べりのすすきや、萩の株が、黄いろくにごった水に横だおしになって、もまれています。ごんは川下の方へと、ぬかるみみちを歩いていきました。
ふと見ると、川の中に人がいて、何かやっています。ごんは、見つからないように、そうっと草の深いところへ歩きよって、そこからじっとのぞいてみました。
「兵十だな」と、ごんは思いました。兵十はぼろぼろの黒いきものをまくし上げて、腰のところまで水にひたりながら、魚をとる、はりきりという、網をゆすぶっていました。はちまきをした顔の横っちょうに、まるい萩の葉が一まい、大きな黒子みたいにへばりついていました。
むかしは、私たちの村のちかくの、中山というところに小さなお城があって、中山さまというおとのさまが、おられたそうです。
その中山から、少しはなれた山の中に、「ごん狐」という狐がいました。ごんは、一人ぼっちの小狐で、しだの一ぱいしげった森の中に穴をほって住んでいました。そして、夜でも昼でも、あたりの村へ出てきて、いたずらばかりしました。はたけへ入って芋をほりちらしたり、菜種がらの、ほしてあるのへ火をつけたり、百姓家の裏手につるしてあるとんがらしをむしりとって、いったり、いろんなことをしました。
或秋のことでした。二、三日雨がふりつづいたその間、ごんは、外へも出られなくて穴の中にしゃがんでいました。
雨があがると、ごんは、ほっとして穴からはい出ました。空はからっと晴れていて、百舌鳥の声がきんきん、ひびいていました。
ごんは、村の小川の堤まで出て来ました。あたりの、すすきの穂には、まだ雨のしずくが光っていました。川は、いつもは水が少いのですが、三日もの雨で、水が、どっとましていました。ただのときは水につかることのない、川べりのすすきや、萩の株が、黄いろくにごった水に横だおしになって、もまれています。ごんは川下の方へと、ぬかるみみちを歩いていきました。
ふと見ると、川の中に人がいて、何かやっています。ごんは、見つからないように、そうっと草の深いところへ歩きよって、そこからじっとのぞいてみました。
「兵十だな」と、ごんは思いました。兵十はぼろぼろの黒いきものをまくし上げて、腰のところまで水にひたりながら、魚をとる、はりきりという、網をゆすぶっていました。はちまきをした顔の横っちょうに、まるい萩の葉が一まい、大きな黒子みたいにへばりついていました。
567それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:12:57.31ID:g+zbTZCfaHLWN メインは「コンテンツを楽しむ『私』」やぞ
https://i.imgur.com/VFZWWXt.jpg
https://i.imgur.com/VFZWWXt.jpg
568それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:06.54ID:X8p2E3tz0HLWN >>558
ゴッドファーザー観てそのまんまの現象に陥った 自分のセンスが信じられんなったわ
ゴッドファーザー観てそのまんまの現象に陥った 自分のセンスが信じられんなったわ
569それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:08.47ID:Pd+X49kSMHLWN しばらくすると、兵十は、はりきり網の一ばんうしろの、袋のようになったところを、水の中からもちあげました。その中には、芝の根や、草の葉や、くさった木ぎれなどが、ごちゃごちゃはいっていましたが、でもところどころ、白いものがきらきら光っています。それは、ふというなぎの腹や、大きなきすの腹でした。兵十は、びくの中へ、そのうなぎやきすを、ごみと一しょにぶちこみました。そして、また、袋の口をしばって、水の中へ入れました。
兵十はそれから、びくをもって川から上りびくを土手においといて、何をさがしにか、川上の方へかけていきました。
兵十がいなくなると、ごんは、ぴょいと草の中からとび出して、びくのそばへかけつけました。ちょいと、いたずらがしたくなったのです。ごんはびくの中の魚をつかみ出しては、はりきり網のかかっているところより下手の川の中を目がけて、ぽんぽんなげこみました。どの魚も、「とぼん」と音を立てながら、にごった水の中へもぐりこみました。
一ばんしまいに、太いうなぎをつかみにかかりましたが、何しろぬるぬるとすべりぬけるので、手ではつかめません。ごんはじれったくなって、頭をびくの中につッこんで、うなぎの頭を口にくわえました。うなぎは、キュッと言ってごんの首へまきつきました。そのとたんに兵十が、向うから、
「うわアぬすと狐め」と、どなりたてました。ごんは、びっくりしてとびあがりました。うなぎをふりすててにげようとしましたが、うなぎは、ごんの首にまきついたままはなれません。ごんはそのまま横っとびにとび出して一しょうけんめいに、にげていきました。
ほら穴の近くの、はんの木の下でふりかえって見ましたが、兵十は追っかけては来ませんでした。
ごんは、ほっとして、うなぎの頭をかみくだき、やっとはずして穴のそとの、草の葉の上にのせておきました。
兵十はそれから、びくをもって川から上りびくを土手においといて、何をさがしにか、川上の方へかけていきました。
兵十がいなくなると、ごんは、ぴょいと草の中からとび出して、びくのそばへかけつけました。ちょいと、いたずらがしたくなったのです。ごんはびくの中の魚をつかみ出しては、はりきり網のかかっているところより下手の川の中を目がけて、ぽんぽんなげこみました。どの魚も、「とぼん」と音を立てながら、にごった水の中へもぐりこみました。
一ばんしまいに、太いうなぎをつかみにかかりましたが、何しろぬるぬるとすべりぬけるので、手ではつかめません。ごんはじれったくなって、頭をびくの中につッこんで、うなぎの頭を口にくわえました。うなぎは、キュッと言ってごんの首へまきつきました。そのとたんに兵十が、向うから、
「うわアぬすと狐め」と、どなりたてました。ごんは、びっくりしてとびあがりました。うなぎをふりすててにげようとしましたが、うなぎは、ごんの首にまきついたままはなれません。ごんはそのまま横っとびにとび出して一しょうけんめいに、にげていきました。
ほら穴の近くの、はんの木の下でふりかえって見ましたが、兵十は追っかけては来ませんでした。
ごんは、ほっとして、うなぎの頭をかみくだき、やっとはずして穴のそとの、草の葉の上にのせておきました。
570それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:12.88ID:WCTpXCkjaHLWN 人間失格より桜桃の方がエグいし暗い気分になるが
よく桜桃忌なんて名前にしたなと思う
よく桜桃忌なんて名前にしたなと思う
571それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:17.80ID:Pd+X49kSMHLWN 二
十日ほどたって、ごんが、弥助というお百姓の家の裏を通りかかりますと、そこの、いちじくの木のかげで、弥助の家内が、おはぐろをつけていました。鍛冶屋の新兵衛の家のうらを通ると、新兵衛の家内が髪をすいていました。ごんは、
「ふふん、村に何かあるんだな」と、思いました。
「何だろう、秋祭かな。祭なら、太鼓や笛の音がしそうなものだ。それに第一、お宮にのぼりが立つはずだが」
こんなことを考えながらやって来ますと、いつの間にか、表に赤い井戸のある、兵十の家の前へ来ました。その小さな、こわれかけた家の中には、大勢の人があつまっていました。よそいきの着物を着て、腰に手拭をさげたりした女たちが、表のかまどで火をたいています。大きな鍋の中では、何かぐずぐず煮えていました。
「ああ、葬式だ」と、ごんは思いました。
「兵十の家のだれが死んだんだろう」
お午がすぎると、ごんは、村の墓地へ行って、六地蔵さんのかげにかくれていました。いいお天気で、遠く向うには、お城の屋根瓦が光っています。墓地には、ひがん花が、赤い布のようにさきつづいていました。と、村の方から、カーン、カーン、と、鐘が鳴って来ました。葬式の出る合図です。
十日ほどたって、ごんが、弥助というお百姓の家の裏を通りかかりますと、そこの、いちじくの木のかげで、弥助の家内が、おはぐろをつけていました。鍛冶屋の新兵衛の家のうらを通ると、新兵衛の家内が髪をすいていました。ごんは、
「ふふん、村に何かあるんだな」と、思いました。
「何だろう、秋祭かな。祭なら、太鼓や笛の音がしそうなものだ。それに第一、お宮にのぼりが立つはずだが」
こんなことを考えながらやって来ますと、いつの間にか、表に赤い井戸のある、兵十の家の前へ来ました。その小さな、こわれかけた家の中には、大勢の人があつまっていました。よそいきの着物を着て、腰に手拭をさげたりした女たちが、表のかまどで火をたいています。大きな鍋の中では、何かぐずぐず煮えていました。
「ああ、葬式だ」と、ごんは思いました。
「兵十の家のだれが死んだんだろう」
お午がすぎると、ごんは、村の墓地へ行って、六地蔵さんのかげにかくれていました。いいお天気で、遠く向うには、お城の屋根瓦が光っています。墓地には、ひがん花が、赤い布のようにさきつづいていました。と、村の方から、カーン、カーン、と、鐘が鳴って来ました。葬式の出る合図です。
572それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:23.09ID:QJnWrkOS0HLWN >>562
萌え=性的搾取=ミソジニーなんや
萌え=性的搾取=ミソジニーなんや
573それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:29.37ID:NDxWNqs50HLWN 男ってチー牛キモオタだけだろ
574それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:31.10ID:Pd+X49kSMHLWN やがて、白い着物を着た葬列のものたちがやって来るのがちらちら見えはじめました。話声も近くなりました。葬列は墓地へはいって来ました。人々が通ったあとには、ひがん花が、ふみおられていました。
ごんはのびあがって見ました。兵十が、白いかみしもをつけて、位牌をささげています。いつもは、赤いさつま芋みたいな元気のいい顔が、きょうは何だかしおれていました。
「ははん、死んだのは兵十のおっ母だ」
ごんはそう思いながら、頭をひっこめました。
その晩、ごんは、穴の中で考えました。
「兵十のおっ母は、床についていて、うなぎが食べたいと言ったにちがいない。それで兵十がはりきり網をもち出したんだ。ところが、わしがいたずらをして、うなぎをとって来てしまった。だから兵十は、おっ母にうなぎを食べさせることができなかった。そのままおっ母は、死んじゃったにちがいない。ああ、うなぎが食べたい、うなぎが食べたいとおもいながら、死んだんだろう。ちょッ、あんないたずらをしなけりゃよかった。」
ごんはのびあがって見ました。兵十が、白いかみしもをつけて、位牌をささげています。いつもは、赤いさつま芋みたいな元気のいい顔が、きょうは何だかしおれていました。
「ははん、死んだのは兵十のおっ母だ」
ごんはそう思いながら、頭をひっこめました。
その晩、ごんは、穴の中で考えました。
「兵十のおっ母は、床についていて、うなぎが食べたいと言ったにちがいない。それで兵十がはりきり網をもち出したんだ。ところが、わしがいたずらをして、うなぎをとって来てしまった。だから兵十は、おっ母にうなぎを食べさせることができなかった。そのままおっ母は、死んじゃったにちがいない。ああ、うなぎが食べたい、うなぎが食べたいとおもいながら、死んだんだろう。ちょッ、あんないたずらをしなけりゃよかった。」
575それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:35.69ID:k/wIgiCO0HLWN576それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:37.22ID:HlTZv6pLpHLWN そもそも30年前ぐらいから大人も漫画ばっか読むようになってラノベ以外の小説自体が衰退傾向なのがな
577それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:37.68ID:8q4WtIRW0HLWN 自分のペースで読めるから動画コンテンツより文字コンテンツの方がいいってやつはワイ以外にもおると思うで
情報量詰め込みたがりや
ワイはインプットした文章量が多いほど脳に良いという認識やから特に文字を好むで
情報量詰め込みたがりや
ワイはインプットした文章量が多いほど脳に良いという認識やから特に文字を好むで
578それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:38.10ID:KfJi4qdXrHLWN お前ら読み終わった本どうしてるんや?
579それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:39.24ID:EiQ+KOwQ0HLWN 三体読み始めたけど今の中共でも序盤のあんな共産党信者の悪いとこ詰めたようなヒステリー描写許すんやな
580それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:39.45ID:Pd+X49kSMHLWN 三
兵十が、赤い井戸のところで、麦をといでいました。
兵十は今まで、おっ母と二人きりで、貧しいくらしをしていたもので、おっ母が死んでしまっては、もう一人ぼっちでした。
「おれと同じ一人ぼっちの兵十か」
こちらの物置の後から見ていたごんは、そう思いました。
ごんは物置のそばをはなれて、向うへいきかけますと、どこかで、いわしを売る声がします。
「いわしのやすうりだアい。いきのいいいわしだアい」
ごんは、その、いせいのいい声のする方へ走っていきました。と、弥助のおかみさんが、裏戸口から、
「いわしをおくれ。」と言いました。いわし売は、いわしのかごをつんだ車を、道ばたにおいて、ぴかぴか光るいわしを両手でつかんで、弥助の家の中へもってはいりました。ごんはそのすきまに、かごの中から、五、六ぴきのいわしをつかみ出して、もと来た方へかけだしました。そして、兵十の家の裏口から、家の中へいわしを投げこんで、穴へ向ってかけもどりました。途中の坂の上でふりかえって見ますと、兵十がまだ、井戸のところで麦をといでいるのが小さく見えました。
ごんは、うなぎのつぐないに、まず一つ、いいことをしたと思いました。
つぎの日には、ごんは山で栗をどっさりひろって、それをかかえて、兵十の家へいきました。裏口からのぞいて見ますと、兵十は、午飯をたべかけて、茶椀をもったまま、ぼんやりと考えこんでいました。へんなことには兵十の頬ぺたに、かすり傷がついています。どうしたんだろうと、ごんが思っていますと、兵十がひとりごとをいいました。
「一たいだれが、いわしなんかをおれの家へほうりこんでいったんだろう。おかげでおれは、盗人と思われて、いわし屋のやつに、ひどい目にあわされた」と、ぶつぶつ言っています。
ごんは、これはしまったと思いました。かわいそうに兵十は、いわし屋にぶんなぐられて、あんな傷までつけられたのか。
ごんはこうおもいながら、そっと物置の方へまわってその入口に、栗をおいてかえりました。
つぎの日も、そのつぎの日もごんは、栗をひろっては、兵十の家へもって来てやりました。そのつぎの日には、栗ばかりでなく、まつたけも二、三ぼんもっていきました。
兵十が、赤い井戸のところで、麦をといでいました。
兵十は今まで、おっ母と二人きりで、貧しいくらしをしていたもので、おっ母が死んでしまっては、もう一人ぼっちでした。
「おれと同じ一人ぼっちの兵十か」
こちらの物置の後から見ていたごんは、そう思いました。
ごんは物置のそばをはなれて、向うへいきかけますと、どこかで、いわしを売る声がします。
「いわしのやすうりだアい。いきのいいいわしだアい」
ごんは、その、いせいのいい声のする方へ走っていきました。と、弥助のおかみさんが、裏戸口から、
「いわしをおくれ。」と言いました。いわし売は、いわしのかごをつんだ車を、道ばたにおいて、ぴかぴか光るいわしを両手でつかんで、弥助の家の中へもってはいりました。ごんはそのすきまに、かごの中から、五、六ぴきのいわしをつかみ出して、もと来た方へかけだしました。そして、兵十の家の裏口から、家の中へいわしを投げこんで、穴へ向ってかけもどりました。途中の坂の上でふりかえって見ますと、兵十がまだ、井戸のところで麦をといでいるのが小さく見えました。
ごんは、うなぎのつぐないに、まず一つ、いいことをしたと思いました。
つぎの日には、ごんは山で栗をどっさりひろって、それをかかえて、兵十の家へいきました。裏口からのぞいて見ますと、兵十は、午飯をたべかけて、茶椀をもったまま、ぼんやりと考えこんでいました。へんなことには兵十の頬ぺたに、かすり傷がついています。どうしたんだろうと、ごんが思っていますと、兵十がひとりごとをいいました。
「一たいだれが、いわしなんかをおれの家へほうりこんでいったんだろう。おかげでおれは、盗人と思われて、いわし屋のやつに、ひどい目にあわされた」と、ぶつぶつ言っています。
ごんは、これはしまったと思いました。かわいそうに兵十は、いわし屋にぶんなぐられて、あんな傷までつけられたのか。
ごんはこうおもいながら、そっと物置の方へまわってその入口に、栗をおいてかえりました。
つぎの日も、そのつぎの日もごんは、栗をひろっては、兵十の家へもって来てやりました。そのつぎの日には、栗ばかりでなく、まつたけも二、三ぼんもっていきました。
581それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:47.45ID:Xlwyrnz+0HLWN >>490
キチガイ地獄下道祭文(直球)
キチガイ地獄下道祭文(直球)
582それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:52.54ID:IGbBlZOjaHLWN ぼくのだいすきならのべ(笑)をバカにされて真っ赤なちんさん…w
583それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:53.01ID:MMqn47zJMHLWN そら高校生ならドストエフスキー、カフカ、トマス・マン、カミュ、トルストイぐらいは読まなアカンやろ…
584それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:13:58.43ID:Pd+X49kSMHLWN 四
月のいい晩でした。ごんは、ぶらぶらあそびに出かけました。中山さまのお城の下を通ってすこしいくと、細い道の向うから、だれか来るようです。話声が聞えます。チンチロリン、チンチロリンと松虫が鳴いています。
ごんは、道の片がわにかくれて、じっとしていました。話声はだんだん近くなりました。それは、兵十と加助というお百姓でした。
「そうそう、なあ加助」と、兵十がいいました。
「ああん?」
「おれあ、このごろ、とてもふしぎなことがあるんだ」
「何が?」
「おっ母が死んでからは、だれだか知らんが、おれに栗やまつたけなんかを、まいにちまいにちくれるんだよ」
「ふうん、だれが?」
「それがわからんのだよ。おれの知らんうちに、おいていくんだ」
ごんは、ふたりのあとをつけていきました。
「ほんとかい?」
「ほんとだとも。うそと思うなら、あした見に来いよ。その栗を見せてやるよ」
「へえ、へんなこともあるもんだなア」
それなり、二人はだまって歩いていきました。
加助がひょいと、後を見ました。ごんはびくっとして、小さくなってたちどまりました。加助は、ごんには気がつかないで、そのままさっさとあるきました。吉兵衛というお百姓の家まで来ると、二人はそこへはいっていきました。ポンポンポンポンと木魚の音がしています。窓の障子にあかりがさしていて、大きな坊主頭がうつって動いていました。ごんは、
「おねんぶつがあるんだな」と思いながら井戸のそばにしゃがんでいました。しばらくすると、また三人ほど、人がつれだって吉兵衛の家へはいっていきました。お経を読む声がきこえて来ました。
月のいい晩でした。ごんは、ぶらぶらあそびに出かけました。中山さまのお城の下を通ってすこしいくと、細い道の向うから、だれか来るようです。話声が聞えます。チンチロリン、チンチロリンと松虫が鳴いています。
ごんは、道の片がわにかくれて、じっとしていました。話声はだんだん近くなりました。それは、兵十と加助というお百姓でした。
「そうそう、なあ加助」と、兵十がいいました。
「ああん?」
「おれあ、このごろ、とてもふしぎなことがあるんだ」
「何が?」
「おっ母が死んでからは、だれだか知らんが、おれに栗やまつたけなんかを、まいにちまいにちくれるんだよ」
「ふうん、だれが?」
「それがわからんのだよ。おれの知らんうちに、おいていくんだ」
ごんは、ふたりのあとをつけていきました。
「ほんとかい?」
「ほんとだとも。うそと思うなら、あした見に来いよ。その栗を見せてやるよ」
「へえ、へんなこともあるもんだなア」
それなり、二人はだまって歩いていきました。
加助がひょいと、後を見ました。ごんはびくっとして、小さくなってたちどまりました。加助は、ごんには気がつかないで、そのままさっさとあるきました。吉兵衛というお百姓の家まで来ると、二人はそこへはいっていきました。ポンポンポンポンと木魚の音がしています。窓の障子にあかりがさしていて、大きな坊主頭がうつって動いていました。ごんは、
「おねんぶつがあるんだな」と思いながら井戸のそばにしゃがんでいました。しばらくすると、また三人ほど、人がつれだって吉兵衛の家へはいっていきました。お経を読む声がきこえて来ました。
585それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:14:09.30ID:i9Ju00z40HLWN なろうはオッサンの現実逃避! って叩きが気に入りすぎたのか知らんけど
自分と違う世界の物語に触れてそれを空想、想像して楽しむって当たり前の事にギャーギャー言うなよ
自分と違う世界の物語に触れてそれを空想、想像して楽しむって当たり前の事にギャーギャー言うなよ
586それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:14:12.17ID:Pd+X49kSMHLWN 五
ごんは、おねんぶつがすむまで、井戸のそばにしゃがんでいました。兵十と加助は、また一しょにかえっていきます。ごんは、二人の話をきこうと思って、ついていきました。兵十の影法師をふみふみいきました。
お城の前まで来たとき、加助が言い出しました。
「さっきの話は、きっと、そりゃあ、神さまのしわざだぞ」
「えっ?」と、兵十はびっくりして、加助の顔を見ました。
「おれは、あれからずっと考えていたが、どうも、そりゃ、人間じゃない、神さまだ、神さまが、お前がたった一人になったのをあわれに思わっしゃって、いろんなものをめぐんで下さるんだよ」
「そうかなあ」
「そうだとも。だから、まいにち神さまにお礼を言うがいいよ」
「うん」
ごんは、へえ、こいつはつまらないなと思いました。おれが、栗や松たけを持っていってやるのに、そのおれにはお礼をいわないで、神さまにお礼をいうんじゃア、おれは、引き合わないなあ。
ごんは、おねんぶつがすむまで、井戸のそばにしゃがんでいました。兵十と加助は、また一しょにかえっていきます。ごんは、二人の話をきこうと思って、ついていきました。兵十の影法師をふみふみいきました。
お城の前まで来たとき、加助が言い出しました。
「さっきの話は、きっと、そりゃあ、神さまのしわざだぞ」
「えっ?」と、兵十はびっくりして、加助の顔を見ました。
「おれは、あれからずっと考えていたが、どうも、そりゃ、人間じゃない、神さまだ、神さまが、お前がたった一人になったのをあわれに思わっしゃって、いろんなものをめぐんで下さるんだよ」
「そうかなあ」
「そうだとも。だから、まいにち神さまにお礼を言うがいいよ」
「うん」
ごんは、へえ、こいつはつまらないなと思いました。おれが、栗や松たけを持っていってやるのに、そのおれにはお礼をいわないで、神さまにお礼をいうんじゃア、おれは、引き合わないなあ。
587それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:14:13.81ID:pn+oxh0NaHLWN588それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:14:23.73ID:Pd+X49kSMHLWN 六
そのあくる日もごんは、栗をもって、兵十の家へ出かけました。兵十は物置で縄をなっていました。それでごんは家の裏口から、こっそり中へはいりました。
そのとき兵十は、ふと顔をあげました。と狐が家の中へはいったではありませんか。こないだうなぎをぬすみやがったあのごん狐めが、またいたずらをしに来たな。
「ようし。」
兵十は立ちあがって、納屋にかけてある火縄銃をとって、火薬をつめました。
そして足音をしのばせてちかよって、今戸口を出ようとするごんを、ドンと、うちました。ごんは、ばたりとたおれました。兵十はかけよって来ました。家の中を見ると、土間に栗が、かためておいてあるのが目につきました。
「おや」と兵十は、びっくりしてごんに目を落しました。
「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは」
ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。
兵十は火縄銃をばたりと、とり落しました。青い煙が、まだ筒口から細く出ていました。
そのあくる日もごんは、栗をもって、兵十の家へ出かけました。兵十は物置で縄をなっていました。それでごんは家の裏口から、こっそり中へはいりました。
そのとき兵十は、ふと顔をあげました。と狐が家の中へはいったではありませんか。こないだうなぎをぬすみやがったあのごん狐めが、またいたずらをしに来たな。
「ようし。」
兵十は立ちあがって、納屋にかけてある火縄銃をとって、火薬をつめました。
そして足音をしのばせてちかよって、今戸口を出ようとするごんを、ドンと、うちました。ごんは、ばたりとたおれました。兵十はかけよって来ました。家の中を見ると、土間に栗が、かためておいてあるのが目につきました。
「おや」と兵十は、びっくりしてごんに目を落しました。
「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは」
ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。
兵十は火縄銃をばたりと、とり落しました。青い煙が、まだ筒口から細く出ていました。
589それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:14:32.74ID:UZQNOR4s0HLWN ものすごいド偏見で草
590それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:14:40.52ID:dzo4Es8zaHLWN 差別ダメと言いつつガッツリ差別意識剥き出しにしてる論理矛盾抱えたアホフェミさんとかもおるけど
無自覚に差別意識内包してるのはどちらなんやろね?
https://i.imgur.com/KS63XRc.jpg
https://i.imgur.com/7z9ZUuE.jpg
https://i.imgur.com/rrCpkdI.jpg
無自覚に差別意識内包してるのはどちらなんやろね?
https://i.imgur.com/KS63XRc.jpg
https://i.imgur.com/7z9ZUuE.jpg
https://i.imgur.com/rrCpkdI.jpg
591それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:14:42.07ID:VOYeDgWFpHLWN592それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:14:44.23ID:Pd+X49kSMHLWN ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。池の中に咲いている蓮の花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない好い匂が、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽は丁度朝なのでございましょう。
やがて御釈迦様はその池のふちに御佇みになって、水の面を蔽っている蓮の葉の間から、ふと下の容子を御覧になりました。この極楽の蓮池の下は、丁度地獄の底に当って居りますから、水晶のような水を透き徹して、三途の河や針の山の景色が、丁度覗き眼鏡を見るように、はっきりと見えるのでございます。
するとその地獄の底に、カンダタと云う男が一人、ほかの罪人と一しょに蠢いている姿が、御眼に止まりました。このカンダタと云う男は、人を殺したり家に火をつけたり、いろいろ悪事を働いた大泥坊でございますが、それでもたった一つ、善い事を致した覚えがございます。と申しますのは、ある時この男が深い林の中を通りますと、小さな蜘蛛が一匹、路ばたを這って行くのが見えました。そこでカンダタは早速足を挙げて、踏み殺そうと致しましたが、「いや、いや、これも小さいながら、命のあるものに違いない。その命を無暗にとると云う事は、いくら何でも可哀そうだ。」と、こう急に思い返して、とうとうその蜘蛛を殺さずに助けてやったからでございます。
御釈迦様は地獄の容子を御覧になりながら、このカンダタには蜘蛛を助けた事があるのを御思い出しになりました。そうしてそれだけの善い事をした報には、出来るなら、この男を地獄から救い出してやろうと御考えになりました。幸い、側を見ますと、翡翠のような色をした蓮の葉の上に、極楽の蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をかけて居ります。御釈迦様はその蜘蛛の糸をそっと御手に御取りになって、玉のような白蓮の間から、遥か下にある地獄の底へ、まっすぐにそれを御下しなさいました。
やがて御釈迦様はその池のふちに御佇みになって、水の面を蔽っている蓮の葉の間から、ふと下の容子を御覧になりました。この極楽の蓮池の下は、丁度地獄の底に当って居りますから、水晶のような水を透き徹して、三途の河や針の山の景色が、丁度覗き眼鏡を見るように、はっきりと見えるのでございます。
するとその地獄の底に、カンダタと云う男が一人、ほかの罪人と一しょに蠢いている姿が、御眼に止まりました。このカンダタと云う男は、人を殺したり家に火をつけたり、いろいろ悪事を働いた大泥坊でございますが、それでもたった一つ、善い事を致した覚えがございます。と申しますのは、ある時この男が深い林の中を通りますと、小さな蜘蛛が一匹、路ばたを這って行くのが見えました。そこでカンダタは早速足を挙げて、踏み殺そうと致しましたが、「いや、いや、これも小さいながら、命のあるものに違いない。その命を無暗にとると云う事は、いくら何でも可哀そうだ。」と、こう急に思い返して、とうとうその蜘蛛を殺さずに助けてやったからでございます。
御釈迦様は地獄の容子を御覧になりながら、このカンダタには蜘蛛を助けた事があるのを御思い出しになりました。そうしてそれだけの善い事をした報には、出来るなら、この男を地獄から救い出してやろうと御考えになりました。幸い、側を見ますと、翡翠のような色をした蓮の葉の上に、極楽の蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をかけて居ります。御釈迦様はその蜘蛛の糸をそっと御手に御取りになって、玉のような白蓮の間から、遥か下にある地獄の底へ、まっすぐにそれを御下しなさいました。
593それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:14:47.92ID:NwHA4HuB0HLWN 高収入の人間って口揃えて本読めって言ってる印象やけど
本読んでなんか変わるんか?
無駄な知識つくだけやろ
本読んでなんか変わるんか?
無駄な知識つくだけやろ
594それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:14:50.86ID:hnnjTqMqdHLWN 読書やら映画鑑賞やらなんてただの娯楽なんだから個々に好きなものを楽しめばいいのに
マウントの材料にしようとするのは気持ち悪いわ
マウントの材料にしようとするのは気持ち悪いわ
595それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:14:53.26ID:Pd+X49kSMHLWN こちらは地獄の底の血の池で、ほかの罪人と一しょに、浮いたり沈んだりしていたカンダタでございます。何しろどちらを見ても、まっ暗で、たまにそのくら暗からぼんやり浮き上っているものがあると思いますと、それは恐しい針の山の針が光るのでございますから、その心細さと云ったらございません。その上あたりは墓の中のようにしんと静まり返って、たまに聞えるものと云っては、ただ罪人がつく微な嘆息ばかりでございます。これはここへ落ちて来るほどの人間は、もうさまざまな地獄の責苦に疲れはてて、泣声を出す力さえなくなっているのでございましょう。ですからさすが大泥坊のカンダタも、やはり血の池の血に咽びながら、まるで死にかかった蛙のように、ただもがいてばかり居りました。
ところがある時の事でございます。何気なくカンダタが頭を挙げて、血の池の空を眺めますと、そのひっそりとした暗の中を、遠い遠い天上から、銀色の蜘蛛の糸が、まるで人目にかかるのを恐れるように、一すじ細く光りながら、するすると自分の上へ垂れて参るのではございませんか。カンダタはこれを見ると、思わず手を拍って喜びました。この糸に縋りついて、どこまでものぼって行けば、きっと地獄からぬけ出せるのに相違ございません。いや、うまく行くと、極楽へはいる事さえも出来ましょう。そうすれば、もう針の山へ追い上げられる事もなくなれば、血の池に沈められる事もある筈はございません。
こう思いましたからカンダタは、早速その蜘蛛の糸を両手でしっかりとつかみながら、一生懸命に上へ上へとたぐりのぼり始めました。元より大泥坊の事でございますから、こう云う事には昔から、慣れ切っているのでございます。
ところがある時の事でございます。何気なくカンダタが頭を挙げて、血の池の空を眺めますと、そのひっそりとした暗の中を、遠い遠い天上から、銀色の蜘蛛の糸が、まるで人目にかかるのを恐れるように、一すじ細く光りながら、するすると自分の上へ垂れて参るのではございませんか。カンダタはこれを見ると、思わず手を拍って喜びました。この糸に縋りついて、どこまでものぼって行けば、きっと地獄からぬけ出せるのに相違ございません。いや、うまく行くと、極楽へはいる事さえも出来ましょう。そうすれば、もう針の山へ追い上げられる事もなくなれば、血の池に沈められる事もある筈はございません。
こう思いましたからカンダタは、早速その蜘蛛の糸を両手でしっかりとつかみながら、一生懸命に上へ上へとたぐりのぼり始めました。元より大泥坊の事でございますから、こう云う事には昔から、慣れ切っているのでございます。
596それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:14:54.00ID:1j9Rv3IA0HLWN 小学生のとき一番最初に読んだ長編小説がモンテ・クリスト伯爵なんだけどまあ、あれも言ってしまえばチートで無双でざまぁだからな
なお主人公は救われない模様
なお主人公は救われない模様
597それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:14:54.94ID:PwOHzNz8pHLWN598それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:15:06.30ID:Pd+X49kSMHLWN しかし地獄と極楽との間は、何万里となくございますから、いくら焦って見た所で、容易に上へは出られません。ややしばらくのぼる中に、とうとうカンダタもくたびれて、もう一たぐりも上の方へはのぼれなくなってしまいました。そこで仕方がございませんから、まず一休み休むつもりで、糸の中途にぶら下りながら、遥かに目の下を見下しました。
すると、一生懸命にのぼった甲斐があって、さっきまで自分がいた血の池は、今ではもう暗の底にいつの間にかかくれて居ります。それからあのぼんやり光っている恐しい針の山も、足の下になってしまいました。この分でのぼって行けば、地獄からぬけ出すのも、存外わけがないかも知れません。カンダタは両手を蜘蛛の糸にからみながら、ここへ来てから何年にも出した事のない声で、「しめた。しめた。」と笑いました。ところがふと気がつきますと、蜘蛛の糸の下の方には、数限もない罪人たちが、自分ののぼった後をつけて、まるで蟻の行列のように、やはり上へ上へ一心によじのぼって来るではございませんか。
カンダタはこれを見ると、驚いたのと恐しいのとで、しばらくはただ、莫迦のように大きな口を開いたまま、眼ばかり動かして居りました。自分一人でさえ断れそうな、この細い蜘蛛の糸が、どうしてあれだけの人数の重みに堪える事が出来ましょう。もし万一途中で断れたと致しましたら、折角ここへまでのぼって来たこの肝腎な自分までも、元の地獄へ逆落しに落ちてしまわなければなりません。
そんな事があったら、大変でございます。が、そう云う中にも、罪人たちは何百となく何千となく、まっ暗な血の池の底から、うようよと這い上って、細く光っている蜘蛛の糸を、一列になりながら、せっせとのぼって参ります。今の中にどうかしなければ、糸はまん中から二つに断れて、落ちてしまうのに違いありません。
すると、一生懸命にのぼった甲斐があって、さっきまで自分がいた血の池は、今ではもう暗の底にいつの間にかかくれて居ります。それからあのぼんやり光っている恐しい針の山も、足の下になってしまいました。この分でのぼって行けば、地獄からぬけ出すのも、存外わけがないかも知れません。カンダタは両手を蜘蛛の糸にからみながら、ここへ来てから何年にも出した事のない声で、「しめた。しめた。」と笑いました。ところがふと気がつきますと、蜘蛛の糸の下の方には、数限もない罪人たちが、自分ののぼった後をつけて、まるで蟻の行列のように、やはり上へ上へ一心によじのぼって来るではございませんか。
カンダタはこれを見ると、驚いたのと恐しいのとで、しばらくはただ、莫迦のように大きな口を開いたまま、眼ばかり動かして居りました。自分一人でさえ断れそうな、この細い蜘蛛の糸が、どうしてあれだけの人数の重みに堪える事が出来ましょう。もし万一途中で断れたと致しましたら、折角ここへまでのぼって来たこの肝腎な自分までも、元の地獄へ逆落しに落ちてしまわなければなりません。
そんな事があったら、大変でございます。が、そう云う中にも、罪人たちは何百となく何千となく、まっ暗な血の池の底から、うようよと這い上って、細く光っている蜘蛛の糸を、一列になりながら、せっせとのぼって参ります。今の中にどうかしなければ、糸はまん中から二つに断れて、落ちてしまうのに違いありません。
599それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:15:09.68ID:X8p2E3tz0HLWN >>578
引っ越すたびにお気に入りの何冊かだけ残してブックオフに売る
引っ越すたびにお気に入りの何冊かだけ残してブックオフに売る
600それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:15:14.94ID:Pd+X49kSMHLWN そこでカンダタは大きな声を出して、「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は己のものだぞ。お前たちは一体誰に尋いて、のぼって来た。下りろ。下りろ。」と喚きました。
その途端でございます。今まで何ともなかった蜘蛛の糸が、急にカンダタのぶら下っている所から、ぷつりと音を立てて断れました。ですからカンダタもたまりません。あっと云う間もなく風を切って、独楽のようにくるくるまわりながら、見る見る中に暗の底へ、まっさかさまに落ちてしまいました。
後にはただ極楽の蜘蛛の糸が、きらきらと細く光りながら、月も星もない空の中途に、短く垂れているばかりでございます。
その途端でございます。今まで何ともなかった蜘蛛の糸が、急にカンダタのぶら下っている所から、ぷつりと音を立てて断れました。ですからカンダタもたまりません。あっと云う間もなく風を切って、独楽のようにくるくるまわりながら、見る見る中に暗の底へ、まっさかさまに落ちてしまいました。
後にはただ極楽の蜘蛛の糸が、きらきらと細く光りながら、月も星もない空の中途に、短く垂れているばかりでございます。
601それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:15:15.36ID:Ul9FaXSyaHLWN602それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:15:16.93ID:fjqwkA/MdHLWN >>554
効いてて草
効いてて草
603それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:15:28.16ID:Pd+X49kSMHLWN 御釈迦様は極楽の蓮池のふちに立って、この一部始終をじっと見ていらっしゃいましたが、やがてカンダタが血の池の底へ石のように沈んでしまいますと、悲しそうな御顔をなさりながら、またぶらぶら御歩きになり始めました。自分ばかり地獄からぬけ出そうとする、カンダタの無慈悲な心が、そうしてその心相当な罰をうけて、元の地獄へ落ちてしまったのが、御釈迦様の御目から見ると、浅間しく思召されたのでございましょう。
しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな事には頓着致しません。その玉のような白い花は、御釈迦様の御足のまわりに、ゆらゆら萼を動かして、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない好い匂が、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽ももう午に近くなったのでございましょう。
しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな事には頓着致しません。その玉のような白い花は、御釈迦様の御足のまわりに、ゆらゆら萼を動かして、そのまん中にある金色の蕊からは、何とも云えない好い匂が、絶間なくあたりへ溢れて居ります。極楽ももう午に近くなったのでございましょう。
604それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:15:30.78ID:ViDNZ3QTpHLWN >>581
ドグラマグラはかなり読むの苦痛やったわ
ドグラマグラはかなり読むの苦痛やったわ
605それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:15:31.48ID:BB+7Whw10HLWN 普通の本読むだろ
606それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:15:35.88ID:Yliw0xNSaHLWN >>221
倫政か世界史の教科書に載ってる本ばかりやな
倫政か世界史の教科書に載ってる本ばかりやな
607それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:15:46.69ID:VX9BCMyWdHLWN そもそも女ってどの年代でもラノベ読まなくね?
608それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:15:53.01ID:5k54/hqVMHLWN パラノーマルアクティビティ「よっしゃ怖い演出したろ!ヤギの足跡や!」
文化の違いは笑いも生む
文化の違いは笑いも生む
609それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:15:55.13ID:Ul9FaXSyaHLWN >>578
まとまったら箱な入れて納屋や
まとまったら箱な入れて納屋や
610それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:15:58.27ID:SIw0k4a30HLWN611それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:16:02.99ID:Pd+X49kSMHLWN メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。
メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。
きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のシラクスの市にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。
この妹は、村の或る律気な一牧人を、近々、花婿として迎える事になっていた。結婚式も間近かなのである。
メロスは、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。
メロスには竹馬の友があった。セリヌンティウスである。今は此のシラクスの市で、石工をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。
歩いているうちにメロスは、まちの様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、市全体が、やけに寂しい。
のんきなメロスも、だんだん不安になって来た。路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、二年まえに此の市に来たときは、夜でも皆が歌をうたって、まちは賑やかであった筈だが、と質問した。
若い衆は、首を振って答えなかった。しばらく歩いて老爺に逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。メロスは両手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。
老爺は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。
メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。
きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のシラクスの市にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。
この妹は、村の或る律気な一牧人を、近々、花婿として迎える事になっていた。結婚式も間近かなのである。
メロスは、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。
メロスには竹馬の友があった。セリヌンティウスである。今は此のシラクスの市で、石工をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。
歩いているうちにメロスは、まちの様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、市全体が、やけに寂しい。
のんきなメロスも、だんだん不安になって来た。路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、二年まえに此の市に来たときは、夜でも皆が歌をうたって、まちは賑やかであった筈だが、と質問した。
若い衆は、首を振って答えなかった。しばらく歩いて老爺に逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。メロスは両手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。
老爺は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。
612それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:16:07.24ID:BJ3nCv93rHLWN613それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:16:07.64ID:v8ffgRhw0HLWN >>221
目がイライラする色やな
目がイライラする色やな
614それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:16:12.70ID:Pd+X49kSMHLWN 「王様は、人を殺します。」
「なぜ殺すのだ。」
「悪心を抱いている、というのですが、誰もそんな、悪心を持っては居りませぬ。」
「たくさんの人を殺したのか。」
「はい、はじめは王様の妹婿さまを。それから、御自身のお世嗣を。それから、妹さまを。それから、妹さまの御子さまを。それから、皇后さまを。それから、賢臣のアレキス様を。」
「おどろいた。国王は乱心か。」
「いいえ、乱心ではございませぬ。人を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、臣下の心をも、お疑いになり、少しく派手な暮しをしている者には、人質ひとりずつ差し出すことを命じて居ります。御命令を拒めば十字架にかけられて、殺されます。きょうは、六人殺されました。」
聞いて、メロスは激怒した。「呆れた王だ。生かして置けぬ。」
メロスは、単純な男であった。買い物を、背負ったままで、のそのそ王城にはいって行った。たちまち彼は、巡邏の警吏に捕縛された。調べられて、メロスの懐中からは短剣が出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。メロスは、王の前に引き出された。
「この短刀で何をするつもりであったか。言え!」暴君ディオニスは静かに、けれども威厳を以て問いつめた。その王の顔は蒼白で、眉間の皺は、刻み込まれたように深かった。
「市を暴君の手から救うのだ。」とメロスは悪びれずに答えた。
「おまえがか?」王は、憫笑した。「仕方の無いやつじゃ。おまえには、わしの孤独がわからぬ。」
「言うな!」とメロスは、いきり立って反駁した。「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。王は、民の忠誠をさえ疑って居られる。」
「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。人の心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。」暴君は落着いて呟き、ほっと溜息をついた。「わしだって、平和を望んでいるのだが。」
「なぜ殺すのだ。」
「悪心を抱いている、というのですが、誰もそんな、悪心を持っては居りませぬ。」
「たくさんの人を殺したのか。」
「はい、はじめは王様の妹婿さまを。それから、御自身のお世嗣を。それから、妹さまを。それから、妹さまの御子さまを。それから、皇后さまを。それから、賢臣のアレキス様を。」
「おどろいた。国王は乱心か。」
「いいえ、乱心ではございませぬ。人を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、臣下の心をも、お疑いになり、少しく派手な暮しをしている者には、人質ひとりずつ差し出すことを命じて居ります。御命令を拒めば十字架にかけられて、殺されます。きょうは、六人殺されました。」
聞いて、メロスは激怒した。「呆れた王だ。生かして置けぬ。」
メロスは、単純な男であった。買い物を、背負ったままで、のそのそ王城にはいって行った。たちまち彼は、巡邏の警吏に捕縛された。調べられて、メロスの懐中からは短剣が出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。メロスは、王の前に引き出された。
「この短刀で何をするつもりであったか。言え!」暴君ディオニスは静かに、けれども威厳を以て問いつめた。その王の顔は蒼白で、眉間の皺は、刻み込まれたように深かった。
「市を暴君の手から救うのだ。」とメロスは悪びれずに答えた。
「おまえがか?」王は、憫笑した。「仕方の無いやつじゃ。おまえには、わしの孤独がわからぬ。」
「言うな!」とメロスは、いきり立って反駁した。「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。王は、民の忠誠をさえ疑って居られる。」
「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。人の心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。」暴君は落着いて呟き、ほっと溜息をついた。「わしだって、平和を望んでいるのだが。」
615それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:16:17.90ID:GAz8WETPMHLWN 小説の面白さ知る前にYouTubeのジャンクな刺激に慣れたらそら抜け出せんよ
サムネであらすじや結末が提示されて10分動画に収められたらそらチンタラ読書なんてできんわな
おまけにその10分動画すら1.5倍以上加速させて見る始末
サムネであらすじや結末が提示されて10分動画に収められたらそらチンタラ読書なんてできんわな
おまけにその10分動画すら1.5倍以上加速させて見る始末
616それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:16:22.41ID:EiQ+KOwQ0HLWN617それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:16:22.68ID:NwHA4HuB0HLWN 高収入の人間って口揃えて本読めって言ってる印象やけど
本読んでなんか変わるんか?
無駄な知識つくだけやろ
本読んでなんか変わるんか?
無駄な知識つくだけやろ
618それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:16:24.53ID:OVkVkpDr0HLWN619それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:16:33.77ID:CEaquZ8S0HLWN 5分後に意外な結末ってなんや
620それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:16:43.99ID:HlTZv6pLpHLWN621それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:16:56.22ID:G56m8mR0dHLWN >>607
なろうブームが起きとるのは男だけちゃうぞ
なろうブームが起きとるのは男だけちゃうぞ
622それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:16:56.58ID:c59vm2frdHLWN つかツイッターのヤバいやつってどいつもこいつも事件や事象になぜか登場するのなに?当事者で解決する話なのになんか拗れさせるヤツがいるの
623それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:16:59.64ID:Pd+X49kSMHLWN 「なんの為の平和だ。自分の地位を守る為か。」こんどはメロスが嘲笑した。「罪の無い人を殺して、何が平和だ。」
「だまれ、下賤の者。」王は、さっと顔を挙げて報いた。「口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。おまえだって、いまに、磔になってから、泣いて詫びたって聞かぬぞ。」
「ああ、王は悧巧だ。自惚れているがよい。私は、ちゃんと死ぬる覚悟で居るのに。命乞いなど決してしない。ただ、――」と言いかけて、メロスは足もとに視線を落し瞬時ためらい、「ただ、私に情をかけたいつもりなら、処刑までに三日間の日限を与えて下さい。たった一人の妹に、亭主を持たせてやりたいのです。三日のうちに、私は村で結婚式を挙げさせ、必ず、ここへ帰って来ます。」
「ばかな。」と暴君は、嗄れた声で低く笑った。「とんでもない嘘を言うわい。逃がした小鳥が帰って来るというのか。」
「そうです。帰って来るのです。」メロスは必死で言い張った。「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。妹が、私の帰りを待っているのだ。そんなに私を信じられないならば、よろしい、この市にセリヌンティウスという石工がいます。私の無二の友人だ。あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あの友人を絞め殺して下さい。たのむ、そうして下さい。」
「だまれ、下賤の者。」王は、さっと顔を挙げて報いた。「口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。おまえだって、いまに、磔になってから、泣いて詫びたって聞かぬぞ。」
「ああ、王は悧巧だ。自惚れているがよい。私は、ちゃんと死ぬる覚悟で居るのに。命乞いなど決してしない。ただ、――」と言いかけて、メロスは足もとに視線を落し瞬時ためらい、「ただ、私に情をかけたいつもりなら、処刑までに三日間の日限を与えて下さい。たった一人の妹に、亭主を持たせてやりたいのです。三日のうちに、私は村で結婚式を挙げさせ、必ず、ここへ帰って来ます。」
「ばかな。」と暴君は、嗄れた声で低く笑った。「とんでもない嘘を言うわい。逃がした小鳥が帰って来るというのか。」
「そうです。帰って来るのです。」メロスは必死で言い張った。「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。妹が、私の帰りを待っているのだ。そんなに私を信じられないならば、よろしい、この市にセリヌンティウスという石工がいます。私の無二の友人だ。あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あの友人を絞め殺して下さい。たのむ、そうして下さい。」
624それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:17:06.06ID:odu79OZZaHLWN >>65
ちんさん…W
ちんさん…W
625それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:17:07.93ID:Pd+X49kSMHLWN それを聞いて王は、残虐な気持で、そっと北叟笑んだ。生意気なことを言うわい。どうせ帰って来ないにきまっている。この嘘つきに騙された振りして、放してやるのも面白い。そうして身代りの男を、三日目に殺してやるのも気味がいい。人は、これだから信じられぬと、わしは悲しい顔して、その身代りの男を磔刑に処してやるのだ。世の中の、正直者とかいう奴輩にうんと見せつけてやりたいものさ。
「願いを、聞いた。その身代りを呼ぶがよい。三日目には日没までに帰って来い。おくれたら、その身代りを、きっと殺すぞ。ちょっとおくれて来るがいい。おまえの罪は、永遠にゆるしてやろうぞ。」
「なに、何をおっしゃる。」
「はは。いのちが大事だったら、おくれて来い。おまえの心は、わかっているぞ。」
メロスは口惜しく、地団駄踏んだ。ものも言いたくなくなった。
竹馬の友、セリヌンティウスは、深夜、王城に召された。暴君ディオニスの面前で、佳き友と佳き友は、二年ぶりで相逢うた。メロスは、友に一切の事情を語った。セリヌンティウスは無言で首肯き、メロスをひしと抱きしめた。友と友の間は、それでよかった。セリヌンティウスは、縄打たれた。メロスは、すぐに出発した。初夏、満天の星である。
メロスはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、村へ到着したのは、翌る日の午前、陽は既に高く昇って、村人たちは野に出て仕事をはじめていた。メロスの十六の妹も、きょうは兄の代りに羊群の番をしていた。よろめいて歩いて来る兄の、疲労困憊の姿を見つけて驚いた。そうして、うるさく兄に質問を浴びせた。
「なんでも無い。」メロスは無理に笑おうと努めた。「市に用事を残して来た。またすぐ市に行かなければならぬ。あす、おまえの結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」
妹は頬をあからめた。
「うれしいか。綺麗な衣裳も買って来た。さあ、これから行って、村の人たちに知らせて来い。結婚式は、あすだと。」
「願いを、聞いた。その身代りを呼ぶがよい。三日目には日没までに帰って来い。おくれたら、その身代りを、きっと殺すぞ。ちょっとおくれて来るがいい。おまえの罪は、永遠にゆるしてやろうぞ。」
「なに、何をおっしゃる。」
「はは。いのちが大事だったら、おくれて来い。おまえの心は、わかっているぞ。」
メロスは口惜しく、地団駄踏んだ。ものも言いたくなくなった。
竹馬の友、セリヌンティウスは、深夜、王城に召された。暴君ディオニスの面前で、佳き友と佳き友は、二年ぶりで相逢うた。メロスは、友に一切の事情を語った。セリヌンティウスは無言で首肯き、メロスをひしと抱きしめた。友と友の間は、それでよかった。セリヌンティウスは、縄打たれた。メロスは、すぐに出発した。初夏、満天の星である。
メロスはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、村へ到着したのは、翌る日の午前、陽は既に高く昇って、村人たちは野に出て仕事をはじめていた。メロスの十六の妹も、きょうは兄の代りに羊群の番をしていた。よろめいて歩いて来る兄の、疲労困憊の姿を見つけて驚いた。そうして、うるさく兄に質問を浴びせた。
「なんでも無い。」メロスは無理に笑おうと努めた。「市に用事を残して来た。またすぐ市に行かなければならぬ。あす、おまえの結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」
妹は頬をあからめた。
「うれしいか。綺麗な衣裳も買って来た。さあ、これから行って、村の人たちに知らせて来い。結婚式は、あすだと。」
626それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:17:12.66ID:c2oyYqi60HLWN 余命10年は難病で死んだ作者が実体験を元に書いた小説やし恋空とかと一緒にするのは流石に失礼やろ……
少なくとも病気の描写にはリアリティあったと思うで
少なくとも病気の描写にはリアリティあったと思うで
627それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:17:20.19ID:ppx6Zyo6dHLWN 高校生で読む小説家いえば伊坂幸太郎やったけど今の学生も読んでるんか??
ワイはマリアビートル読んでた記憶ある
ワイはマリアビートル読んでた記憶ある
628それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:17:20.96ID:L/s6BpxnrHLWN あの駄菓子屋のやつちょっと読んだけど何が子供にそんな刺さるのかよく分からんわ
629それでも動く名無し
2022/10/31(月) 12:17:21.79ID:ZOmkt5D8rHLWN 人間失格がランキングに挙がるのってなんかもにょるよな
いや面白いけどさ…
いや面白いけどさ…
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
ニュース
- 【埼玉】八潮市の交差点で道路が陥没しトラック落下、穴が直径40m以上に拡大…運転手救出へスロープ設置工事始まる★75 [Ailuropoda melanoleuca★]
- TKO木下隆行、2日放送「ガキ使」出演部分はカット ホテル強制連行&性被害指摘され動画で謝罪 [冬月記者★]
- 「出社したくない」「自民党って泥棒なん?」 通勤手当に“課税”検討がSNSで大顰蹙! 課税の弊害は? 移動コストと経済の視点から考える [パンナ・コッタ★]
- 【芸能】元フジテレビ・渡邊渚アナ エッセイ本 速攻売れ筋1位&売り切れ続出! 2月1日にお渡し会イベントを開催★2 [冬月記者★]
- フジが確認「中居氏ホテル懇親会」 文春は「男性タレントが全裸で手招き」と報道★2 [シコリアン★]
- 【トランプ大統領】「日本のことは好きだ。安倍晋三元首相は非常に親しい友人だった」 石破首相と「来週会談」 対中国で連携確認へ [ぐれ★]
- 三大役立つ家事の省力化テク「使い捨てスポンジ」「5倍巻きトイレットペーパー」 [858219337]
- トランプ大統領「半導体・石油・ガス・鉄鋼・アルミ・銅に関税。アメリカを取り戻す」 [237216734]
- ジャップクソガキが博物館のおもちゃを壊し、注意された親は「なら触れるようにしとくんじゃねえよ」と暴言。館長は閉館を決意 [931948549]
- トランプさん、キチゲェでバカでアホなのでアメリカの株価が上がらない [782460143]
- 【図解】陥没トラックの運転席、荷台を引き上げた時にその下の下水管に落ちたっぽい もう無理だろこれ [597533159]
- ドラクエのゼシカが巨乳ヒロインなのに万人受けしない理由