胸のうちは、はっきりさせていく。伊藤は「先発がやりたい。僕の野球人生。考えが左右されることはない」と強い口調で話し出した。「それくらい言っていかないと後ろ(抑え)に回されそうなので」とし、「毎日ツイートしていこうかな。先発やりたい、先発やりたいって」と独自のアピール法を思い描いた。

 新庄監督は伊藤に抑えの適性も感じており、今季は実際にシーズン終盤に2試合で救援登板させた。来季以降についても「補強次第」と含みを持たせている。だが伊藤には、譲れないものもある。「沢村賞が僕の目標。抑えだと取れなくなってしまうので」。あこがれの存在、ダルビッシュも07年に受賞した、先発完投型の投手に与えられる最高の栄誉を手にするため、積極的に“発信”していく。

 来季目標も当然、先発投手としての数字を描いている。上沢が「180イニング15勝」を目標に挙げたことに対抗し、「僕は181イニングで16勝」と、あえてライバル心をむき出しにした。強いメッセージを出していくことで、自分にも重圧をかけていく。