東京都豊島区の高野之夫区長は14日、区内の西武池袋本店に家電量販店大手のヨドバシホールディングス(HD)の出店が取り沙汰されていることを受け、「家電量販店は(高級ブランド店などが営業している西武池袋本店の)低層階に入ってほしくない」と述べた。高級ブランド店が退店し、街並みが変わることへの懸念を示した。

区役所で開いた記者会見で発言した。高野氏は「西武池袋本店のある一画は池袋地区の街づくりの顔であり要だ」と強調した。そのうえで「全体の街づくりを崩すことのないようにしてほしい」と注文した。不動産の一部を保有する西武ホールディングスに西武池袋本店の存続を求める嘆願書を5日付で提出したことも明らかにした。

豊島区は多目的ホールなどを備えた複合施設「ハレザ池袋」の整備を先導するなど、音楽やマンガ、アニメといった芸術文化の発信機能を強化するための再開発を池袋地区で進めてきた。池袋駅の東口と西口をつなぐ通路をつくり、駅前を歩行者専用の広場とする構想も掲げる。嘆願書では高級ブランド店が撤退すると「築き上げてきた『文化』のまちの土壌が喪失する」と訴えている。