日本ハムの金子千尋投手(39)が今季限りで現役引退する決意を固めたことが22日、分かった。プロ18年目の今季はわずか3試合の登板にとどまり1勝2敗、防御率4・85。今季終了後に球団からのコーチ就任のオファーを断り、現役続行を目指して自由契約となったが、希望するNPB球団からのオファーは届かなかった。23日に会見を開いて表明する。

【写真】オリックス時代の16年、通算100勝を挙げお立ち台でポーズをとる金子千尋ら

 「ネコ」「ちーちゃん」などの愛称で熱狂的ファンも多い個性派右腕が、惜しまれながらユニホームを脱ぐ。金子は自身のツイッターで「金子千尋は明日12/23(金)14:00より会見をさせていただきます!」と告知。球団公式YouTubeで生配信される会見で報告する予定だ。

 20年には主に中継ぎで34試合登板とフル回転。ただ21年からは若手の台頭もあり、21年は8試合、今季は3試合と大きな故障はないものの出番を減らしていた。今季終了後に球団からコーチ就任を要請された。「話を頂いたタイミングも決断できなかった要因で、踏ん切りがつかなかった」と現役続行の意思が強く、退団。「可能性はないかもしれないが」と各球団の編成が固まる9日の現役ドラフト後を判断の目安としていたが、NPB球団からオファーは届かず、現役に終止符を打つことになった。

 抜群の制球力と変化球を武器に、現役6位の通算130勝。プロ18年間で2チームに所属したが、いずれも優勝に導くことはできなかった。オリックスのエースだった14年には最多勝と最優秀防御率の2冠に輝き、沢村賞、最優秀バッテリー賞、ゴールデングラブ賞など総なめに。日本ハムでは後輩に調整法や変化球を伝授するなど、自身の経験を惜しみなく伝えて手本となってきた。

 球団はコーチ就任を要請した経緯もあり、金子本人が希望すれば、将来のコーチ就任を見据えた指導者修業を手助けする可能性もありそうだ。金子誠(現ロッテ戦略コーチ)が引退の翌15年に、特命コーチとして提携するパドレスにコーチ留学。矢野謙次(現日本ハムアマスカウト)も引退の翌19年に、特命コーチとして提携するレンジャーズにコーチ留学した。卓越した投手理論を持つ金子が、今後どのような道を歩むかにも注目が集まる。

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