イチロー自身がウェイトトレーニング6、7年間やった結果の模様

稲葉「それがわかったのって、いつぐらい?」
イチロー「僕も結構、ウエイト・トレーニングやりましたからね。やって体大きくなったから、バカだから、うれしくなるじゃないですか、『はは、いいな、オレも大きくなったなぁ』、なんてなるんですよ、春先はなりがちなんですけど、、スイング・スピードは落ちるんですよ。回らなくなっちゃうんですよ、この辺(胸)が・・・。そういう失敗を、僕も毎年重ねて、6-7年は同じことを繰り返してました。
稲葉「そのとき気づいたの?」
イチロー「春先、僕、全然、動けないの。で、痩せてくるじゃないですか、シーズン入って。シーズン入ったら、そんなトレーニングできないから、・・・ガンガンとは・・。だんだん痩せていく。そうすると、スイング・スピードが上がっているんです。無駄なものが省かれてるから。それが答えじゃないですか?だから、本来のバランスを崩しちゃいけないんです。」
稲葉「今はそういう時代になってきてる。そして、知識がすごくありすぎる」
イチロー「頭でっかちになる傾向はあるでしょうね」
稲葉「でも、最短で行ける可能性もあるじゃない?もしかしたら」
イチロー「無理だと思います(即答)。まったくミスなしで、間違いなしで、・・・(実際には)そこにたどり着けないんですけども、たどり着いたとしても、・・深みは出ないですよ。やっぱり、遠回りすること、すごい大事ですよ。僕の中では、『無駄なことって、結局、無駄じゃない』。僕は遠回りすることが一番の近道だと信じています」