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味噌汁に唐揚げやソーセージを入れたっていいじゃないか 「情熱大陸」に登場した土井善晴さんの提言

一汁一菜とは「汁飯香」、味噌汁とご飯と香の物(漬物)を言います。

 とりあえず、ご飯を炊いて、具のたくさん入った味噌汁さえ作れば、食事になるのです。味噌汁を具だくさんにすることで、おかずの一品を兼ねます。

 野菜に油揚げや少しの肉を入れて具だくさんにすることで、栄養的にも問題ありません。一日三食、毎日一汁一菜だっていいのです。

 足らないという人はおかわりしてください。一汁一菜は飽きるどころか、いつも「おいしいなぁ」って言えるはずです。

 それは、人間が味付けしたものが何もないから。

 和食の原点である一汁一菜は自然の摂理の中にあって、山や花といった自然の風景に見飽きることがないのと同じです。

 ただし、「味噌汁には何を入れてもいいのです」と伝えても、適当に考えてできる人は案外少ないと気づきました。私たちは、自分で発想してなにかを創ることが苦手になっているのかもしれません。それほど「こうでなくてはいけない」と信じ込まされてきたのかもしれません。

 豆腐やわかめ、大根に油揚げ、じゃがいもと玉ねぎ、といった、おおよそお決まりの味噌汁しか作っていなかったのです。これまで食べ慣れてきたもの以外の食材を入れるのはタブーでしょうか。

 トマトやピーマンを味噌汁の具にすることも、ソーセージや残り物のおかずのから唐揚げを具にすることも、そのたびに驚かれました。

 毎度「〇〇を入れてもいいんですか」と確認されます。味噌汁に入れたくないものはあっても、味噌汁に入れていけないものなんてありません。

 それが味噌汁のすごさです。