伊藤がキャッチボールの最中に、遊び半分に投げていた中で編み出した投球法だった。従来の上手に加え、スリークオーター気味に下げるなど、3段階の角度を使い分けている。

 伊藤 意外とここで真っすぐ投げた方が強いなという感覚があって、それは面白いなと。今まではアングルが全部一緒なのが正しいと思っていたが、何カ所でもできるならそれに越したことはないので、それを試している。

 今オフ渡米し、自主トレをともにしたパドレスのダルビッシュの影響も受けた。腕の角度を変える投法は「ダルビッシュさんもそういうことをずっとやっていたと思うので」と話す。相談した大先輩のお墨付きも得たといい、「それはそれでありなんだなと確信になった」と語った。

 ブルペンでは新加入した伏見とバッテリーを組み、カーブやスライダー、ツーシームなど7球種、41球を投げた。中でもスライダーの大きな曲がりに伏見も「よく曲がっている」と大きな反応を見せた。これも腕の角度を変えたことによる効果。伊藤は「腕を下がり気味に投げたので、それも曲がり方に影響している。スピードは落ちてしまうが、曲がり自体は大きいと思う」と語った。