開幕して1か月が経過、月も替わり上位を走るチーム、下位から抜け出せないチームなど、明暗が分かれつつある野球界。そんな中、早くもオフのFA戦線にも目が向けられている。

 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務めた野球解説者の高木豊氏は4月30日までに更新した自身のユーチューブチャンネルで今オフのFA戦線を占っている。

 各球団のFA取得予定選手をあげていく中で、前提条件としては「誰が動くかによって大きく変わる」として、主力選手がFA宣言して出ていく球団ではそのポジションに関して補強に動かざるをえないだろうという見方を示した。

 その上でまずソフトバンクへの移籍が有力視されている西武・山川穂高に関しては、「DHで使うかも分からないよね」として、打線の厚みを増すためにソフトバンクが獲得に動くのではとした。

 一方、投手陣ではすでに各球団から熱視線を浴びているといわれる日本ハム左腕の加藤貴之に関して、改めて「誰でも欲しい」と高木氏は明言。獲るメリットとしては「コントロールがいいし、うまくカーブでタイミングを外す」と緩急を使ったピッチングが自在にできることでゲームを作ることができ、ある程度打線の援護が見込める球団であれば勝ち星を重ねられるとした。

 さらにヤクルトからは今季守護神と配置転換となった田口麗斗もFA取得予定選手となっている。この点に関して「田口はヤクルトが好きそうだし」とチーム愛にあふれている様子を見せていることから、残留が基本路線ではないかとした。

 その上で、「出身が広島。あっちのほうに本人が帰りたいとなるとそうなる可能性もある」と広島出身の田口だけに、地元球団である広島や、さらに西の常勝軍団、ソフトバンクが獲得に乗り出すようなことがあれば、移籍する可能性もあるという見方を示した。

 田口といえば、マクガフ退団後、注目を集めた守護神の座を高津監督に自ら直訴するなど、強心臓であることもストッパー向きとされる。4月30日の阪神戦、4番の村上宗隆が5回二死三塁に4月18日の中日戦以来となる適時打をマークしたことでも注目を集めた試合で、最後を締め7セーブ目を記録。今季はここまで11試合に登板し、防御率1・86、7セーブと安定した成績を残している。巨人時代は先発も経験しており、宣言すれば、多くの球団が触手を伸ばしそうだ。

 またFA取得予定選手にとっては、今年どれだけのパフォーマンスを残せるかで「市場価格」も変動していく。白熱のペナントレース争いと同時にFA選手たちの働きもひそかに注目を集めそうだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5e1f68cb94b4ab2af5b896c5295f83417688a33b