発達障害だった長男を悲観して「この子の人生を終わらよう」と浴槽に沈めた母  精神疾患を抱え、幼児3人を〝ワンオペ育児〟
https://news.yahoo.co.jp/articles/b57fec7a31f5a262af61c8d6a1df23f9df7602d3

 2022年12月7日の京都地方裁判所。発達障害だった3歳の長男を浴槽に沈めて殺害した罪に問われた女性(39)に、懲役4年6カ月の判決が言い渡された。殺人罪の法定刑の下限である懲役5年を下回るのは異例だ。背景には、女性が抱えた事情があった。

 女性は事件当時、長男のほか4歳の長女、1歳の次女の3人を育てていた。夫が仕事でほとんどいなかったため、育児はいわゆる「ワンオペ状態」。長男は軽~中度の発達遅れがあり、自閉スペクトラム症の疑いと診断されていた。

 特に話すのが苦手だった長男に、女性は必死に向き合った。しかし、養育に疲れ、その将来を悲観する気持ちがぬぐえなかった。そして、ある日思った。「この子の人生を終わらせよう…」

 女性は法廷で、事件当日から逮捕までを赤裸々に語った。

 事件があったのは2017年11月24日。長男は3歳になったばかりだった。その日の朝、スマートフォンでニュースを眺めていた。心臓疾患で移植手術を受けないと生きられない子どもの記事があった。「長男も重い病気であれば、亡くなって悩みから解放される」と考えてしまった。その直後だった。「死」「終わり」という言葉に取りつかれ頭がぼーっとしてきた。「この子の人生を終わらせよう」と決意した。

 風呂場に行って浴槽に湯を入れた。迷いがあったのかもしれない。一度は水を抜いた。しかし、再び湯を入れ、台所で寝ている長男を運び、浴槽で湯に沈めた。途中、長男が目を覚まして動き出したが、無感情で約5分間押さえ続けた。やがて長男は動かなくなり、その後「子どもが溺れた」と119番した。