西武池袋線・新宿線「所沢」…最強郊外で「中古タワマン」買った「39歳・月収45万円サラリーマン」の大誤算
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埼玉県の南西部に位置する所沢市は、人口はおよそ34万人。埼玉県下では、さいたま市、川口市、川越市につぐ第4位の規模を誇ります。北は同県の川越市や狭山市など、南は東京都の東村山市や武蔵村山市などと接し、東京のベッドタウンとして発展してきましたが、宮崎駿監督の映画『となりのトトロ』の舞台となった狭山丘陵、通称「トトロの森」など、緑豊かな自然も残ります。

駅前は昨今の再開発で大きく変わろうとしています。元々、西武の本拠地として大型商業施設が立地する、地域の拠点でしたが、一時はそのにぎわいもトーンダウン。しかし2019年に駅南口の『西武所沢店』が「脱百貨店」を目指して『西武所沢S.C.』に生まれ変わったあたりから、風向きが変わり始めました。

活発な再開発により、これまで都心に働きに出かけ寝に帰るだけのベッドタウンから、「暮らす・働く・学ぶ・遊ぶ」の4要素が揃った「リビングタウン」へと進化するとしています。

そんな所沢に対するクチコミでは交通面や子育て環境に対してプラスの評価が目立ちます。また以前「災害に強い街」No.1に選ばれたことから防災面でも高評価のようです。

所沢・駅チカのタワマンを購入した男性、唯一の誤算とは

ファミリー層に人気の所沢ですが「家賃が安い」といった点も、ファミリー層から支持を受ける理由。国土交通省『土地総合情報システム』によると、駅徒歩20分圏内で取引された中古マンションの平均平米単価は42.13万で、80平米程度のファミリーマンションでも3,000万円台程度。再開発に合わせ、ファミリー向け物件も多く登場し、しかも東京都内に比べても割安ということで人気を博しています。

「所沢に移住をしてきた」と投稿する、39歳、都内の会社に勤務する男性も所沢の人気を聞きつけて、2年前に引越しをしてきたというひとり。駅徒歩10分圏内の4LDKの中古のタワマンを4,000万円台で購入し、家族4人で暮らしています。

――都内でこの広さのマンションは、中古でもなかなかありません。

と男性。現在月収45万円、年収700万円ほどで、ローン返済は月々10万円程度。余裕のある返済プランで、ローン負担を重く感じることもないといいます。駅前ですべての用事が済むほどの利便性や子育て環境もクチコミ通り。道路渋滞も確かにクチコミ通りだったといいますが、生活が徒歩圏内でほぼ完結するので、特に問題にならないといいます。ただし、「ただ1つの誤算が」と男性。それが「通勤の復活」。

男性が勤務する会社ではコロナ禍、約2年間完全リモートワークだったとか。そこで子育て環境を重視し、「最強の郊外」と呼び声高い「所沢」への引越しを決めたといいます。

しかし今年の4月に徐々に通勤が復活。「会社の上層部は、対面のほうが仕事の効率性は高いと、完全リモートワークから完全通勤へとシフトさせようとしている」と男性。勤務先へは、朝の通勤ラッシュ時で片道1時間程度。「所沢」駅からは通勤電車でもそれほど混まず、電車によっては座れることもあるのだとか。それでも「新しい働き方の到来」を信じて引っ越してきた男性にとって、会社の判断は大きな誤算。

東京都による『テレワーク実施率調査 3月調査結果』によると、都内企業(従業員30人以上)のテレワーク実施率は51.6%。前回2月調査に比べて0.5ポイント増加したものの下降トレンドであることに変わりはありません。またリモートワークの短所も指摘されているなか、リモートワークを廃止しないまでも、週に何日かの通勤をマストとするケースが多くみられます。

コロナ禍、「完全リモート」を機に“プチ移住”を試みた多くの人たち。出社回帰にシフトするなか、「誤算だった……」と肩を落としている人も多そうです。