「複数のメジャー球団は孫に8000万円程度のオファーをしたが、孫の父親が米国行きに難色を示したというのです。まだ18歳。マイナーの生存競争は生き馬の目を抜くほど熾烈だし、顔を見に行こうにも台湾からは遠過ぎる。その点、日本球界なら若手のケアは手厚いし、3時間ほどで行けますからね。最初から台湾球界は選択肢になかったようで、まずメジャーがオミットされたようです」

 こうして日本球界入りが浮上したわけだが、台湾には日本ハムだけが行っていたわけではない。巨人やソフトバンクも複数のスカウトをU18に派遣していたし、彼らもまた目当ては孫だったといわれる。

 仮にマネーゲームになったとすれば、日本ハムが巨人やソフトバンクにかなうはずがないともっぱら。しかもソフトバンクには「台湾の英雄」ともいうべき王貞治球団会長がいる。カネも人脈も劣勢に見える日本ハムがなぜ、孫を獲得できるのか。

「日本ハムには、かつて陽岱鋼、今は王柏融が在籍していて台湾の人たちにとって馴染み深い球団なのは事実です。ただ、それが王会長のいるソフトバンクに対するアドバンテージになるとは思えない。ひとつ言えるのは日本ハムがポスティングを容認する球団ということです。巨人やソフトバンクは原則、認めていませんからね。孫はメジャー志向が強く、ダルビッシュや大谷の後に続きたいと考えている可能性はあるでしょう。あるいは王会長と台湾の関係を上回るようなパイプが球団なり親会社にあるのかどうか……」とは前出の関係者だ。
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