芝浦工業大学では2018年度入試から「女子枠」を設けています。17年には大学全体でわずか16.4%だった女子の割合はじわじわと増え続け、23年には19.8%にまで上昇しています。
学科別に見ると3割を超えているところもあり、効果が出ていることがわかります。

「『女子枠』を導入したのは、女性の比率が国際水準よりも低いという危機意識があった一方、企業からは女性エンジニア候補を求める声が増えていたことがきっかけでした。
『なぜ女子にだけ枠を設けるのか、逆差別ではないのか』といった声もありましたが、まずは理工系学部における男女のバランスを正常化することが第一と考えました。
27年度までに学内の女子の割合を30%にまで高めることを目標に、特に女子が少ない工学部4学科の公募制推薦型入学者選抜からスタートし、22年度からは工学部全9学科に枠を拡大し、23年度入試では全4学部に広げています。

その結果、学科によっては女子が3割以上を占めるようになり、男子が圧倒的に多かったときに比べて授業ではより幅広いアイデアが飛び交っていて、多様性の大切さを実感しているところです。
最近は、大学説明会のブースに来る高校生の半分以上が女子という、少し前までは考えられないような状況にもなっています。
女子高校生からの問い合わせも増えていて、取り組みの手応えを感じています」

女子枠の合否は総合型選抜と同様に、書類審査や面接試験、基礎学力調査などをもとに判定されますが、
基礎学力調査の数学には「数Ⅲ」が課されておらず、一般選抜で入ってくる学生よりもやや間口を広げているのが特徴です。

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