巨人・鈴木尚広外野守備兼走塁コーチ(44)が24日、走塁意識向上をテーマに掲げた。

 19年以来のコーチ復帰に、足を生かせるチームに変えることを自らの“ノルマ”として課した。「走塁意欲を持つチームに生まれ変わっていくこと。全体の意識を上げて得点能力を足でアップさせていくというところも大きなテーマ」。巨人は今季、リーグ2位の163本塁打をマークしたが、リーグワーストのチーム打率2割4分2厘とつながりを欠いた。原監督は「犠打、犠飛、進塁打」などチームプレーを来季巻き返しの鍵に挙げたが、それを走塁の意識改革で下支えする。

 現代野球において、走塁の重要性は増している。単純な走力だけでなく、打球方向や守備者の肩、体勢などに基づく判断力、そして勇気で1つ先の塁を奪えると説く。

 「チームに勢いを与えるであろうし、ファンの期待感がある種の追い風に変わる。打てなくても勝てる試合をなんとか作っていきたい」。例えば無安打で奪った得点は相手のダメージも大きく、走者が二塁と三塁ではバッテリーの配球や相手の守備隊形も違ってくる。チャンスを確実に点を結びつけるための積極的走塁を、共通認識として植え付けていく。(西村 茂展)